ハゲタカ』ハゲタ

企業の未来を見ているのは経営者か、ホワイトナイトか、それともハゲタカか. NHKで好評だったTVシリーズは未見ですが、世界視野で敵対TOBを掛ける面白さはアメリカ国内だけを描いた 『ウォール街』 よりも面白く、かつ勉強になると思います. ただ全体的にもう少し緊張感があっても良かったかなとも思いましたが. 日本では村上ファンドの云々で一躍知名度を上げた企業買収のプロ集団であるファンド. 顧客から資金を集め、徹底した合理主義の下で株式売買にて企業を我が物にするそのやり方は、時にダメ経営者を追い出し企業を蘇らせることもあれば、逆にその企業の技術だけを吸い取り、あとは単なる株式市場での金儲けの道具として扱うだけになるなど、一概に全てが「ハゲタカ」という悪いイメージで括れるものではないんですよね. つまりハッカーをハッキング対策要員として雇うようのと同じで、企業もファンドの扱い方一つで敵対TOBから会社を守ることもできるのです. ただ問題なのは、敵対TOBを仕掛けるハゲタカの真意や資金源、ホワイトナイトを依頼するファンドの実力を経営者がきちんと見抜けるのかどうかということ. この映画ではアカマ自動車の古谷社長はその眼力がなかったがために「紅いハゲタカ」と呼ばれる劉一華と手を組もうとしたり、逆に鷲津を見限ったりと追いかけるのは企業の未来ではなく目先の利益ばかり. 一方、芝野からの依頼で動いていた鷲津は中東に飛び資金を調達したり、その資金でアメリカの瀕死ファンドにTOBを掛けて、劉一華の中国政府介入ファンドが買い付けに走ったところで情報戦により資金減になった劉一華ファンドにアカマ自動車から手を引かせたりなど、常に未来を読んでいるんですよね. つまりこの映画の面白いところって企業買収を描きながら、本当に描かれているのはお金に対する接し方を通しての人間性の駆け引きだと思うのです. 私も以前お金を動かす仕事をしていたのですが、人間という生き物は悲しいかな、お金に対する接し方で人間性がリアルに見えてしまうんですよね. 例えば派遣社員の守山がバラ撒いた札束を必死になって拾う劉はお金に苦労した分、何事にも執着心が強い人間性を現していますし、逆に鷲津はお金の動きを熟知している分、お金に動かされる古谷社長とは違い、ブレーンを中国に派遣して劉が劉一華でないことを調べ上げたりなど、最後まで冷静に先を読むことのできる人間性を現していると思うのです. ですから劉一華が公園で暴漢に刺されて絶命してしまうのも、お金を動かす市場にいながらお金に動かされた人間の行く末. 古谷社長が解任され芝野が後継者に選ばれたのも、企業の未来を見ていたか、目先の利益を見ていたかの違いだけ. そして鷲津は「金を持っている悲劇」と「金を持っていない悲劇」の両方を熟知しているからこそ、芝野に劉の思いを伝え、劉の故郷を訪ねたのでしょうね. 経済成長著しい中国の脅威に対しても不安要素いっぱいの今の世の中を見ても、日本の経営者たちが日本の未来を見ているかというのは正直確信が持てないところ. ならば、本当に日本の未来を見ているのは誰か. それが必ずしもハゲタカではないとは言い切れない. それもまた今の世の中なのかも知れませんね. 深夜らじお@の映画館 はマネーゲームから卒業しました. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.

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